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BREWERY 蔵元

杉井酒造

静岡県 小石川町

代表銘柄: 杉錦 飛鳥山

概要

杉井酒造は、静岡県藤枝市で1838年創業。代表銘柄「杉錦」を中心に、生酛・山廃・菩提酛など、微生物の力を生かした酒造りに取り組む。清酒に加え、本みりん「飛鳥山」、本格焼酎「才助」、食酢「飛鳥姫」を製造。味醂は明治時代から製造していた記録が残り、焼津の練り物や鰻の蒲焼きのたれなど、地域の食文化を支えてきた。焼酎では、地元産のさつまいもやじゃがいも、商品化されにくいむかごを活用。…

代表銘柄

杉錦 飛鳥山

蔵元・杜氏OWNER / TOJI

杉井健太郎

東北大学大学院環境科学研究科で水文学を専攻し、地下水や霧の研究に取り組む。修了後は株式会社プロレド・パートナーズに入社し、IT分野のコストマネジメント業務に従事。2021年に杉井酒造へ入社し、現在は蔵の経営と酒造りを担う。気象予報士の資格を持ち、自然環境への知見を生かしながら、清酒、味醂、酢、焼酎など幅広い発酵・醸造に取り組む。現在は、味醂にスパイスや和漢素材を漬け込んだ新しい薬酒を開発している。

蔵についてABOUT

杉井酒造は、静岡県藤枝市で1838年創業。代表銘柄「杉錦」を中心に、生酛・山廃・菩提酛など、微生物の力を生かした酒造りに取り組む。清酒に加え、本みりん「飛鳥山」、本格焼酎「才助」、食酢「飛鳥姫」を製造。味醂は明治時代から製造していた記録が残り、焼津の練り物や鰻の蒲焼きのたれなど、地域の食文化を支えてきた。焼酎では、地元産のさつまいもやじゃがいも、商品化されにくいむかごを活用。地域の農産物や酒粕を生かし、幅広い発酵・醸造品を手掛ける。3年前からは食酢造りも始め、地域の食卓へ新たな発酵の価値を届ける挑戦を続けている。

地域・風土LOCALITY

静岡の酒造りは、河村傳兵衛らが吟醸造りを発展させ、1990年代には全国新酒鑑評会で高い評価を築いた。現在も、華やかな香りを過度に追わず、味わいは辛口、食中酒としての調和を重視する文化が根付く。県内では、バナナやメロンを思わせる香りを生む静岡酵母HD-1などが広く使われ、独自の酒質を形成。海の幸に合う淡麗辛口が主流の中、杉井酒造はよりコクと酸味を備えた濃醇辛口を志向し、浜松餃子や鰻の蒲焼きなど、味わいの強い郷土料理に寄り添う酒を造る。

酒造りの方針PHILOSOPHY

理想の酒質に応じて製法を使い分ける。厚みや複雑さを求める酒には生酛・山廃、端正で切れのある酒には菩提酛・速醸を用い、とりわけ伝統製法を主力に、コクと酸味を備えた辛口、燗で持ち味を発揮する酒を目指す。味醂は、地域の酒蔵から集めた酒粕を粕酒とし、蒸留した粕取り焼酎から自社製造。原料酒から手掛けることで味わいを緻密に設計し、酒粕の有効活用にもつなげる。焼酎では、むかご、栗、そば、とうもろこしなど地域の素材を生かし、静岡ならではの味を形にする。

目指す姿・ビジョンVISION

杉の生命にならい、循環を酒造りの本質とする。 深く根を張り、幹を太くする。時代の風に適応し、時に不要な枝を自ら剪定する。 そして、切り落とした枝葉が大地に還り、新たな生命を育むように、あらゆる経験を次の成長の糧とする。この終わりなき循環こそ、杉井酒造の酒造りの本質です。 1. 伝統は、試し直されて残る。 伝統とは、古いから守られたのではありません。歴史の中で、衰退と復活を繰り返し、洗練されてきた技術です。常に時代にあった最適な形へと醸造技術を磨き続けます。 2. 菌が巡り、発酵が次へ。 様々な細菌が栄養を分解しあう事で生じる、複雑な発酵の重なりが、幾層にも重なる奥深い味わいを育てます。 3. 自剪は、味を研ぎ澄ます選択。 杉の木が不要な枝を自ら剪定し、新芽に栄養を与えます。米を極限まで磨く削ぎ落とす決断が、大吟醸という境地を切り拓いたように、取捨選択をする事を恐れません。

酒造りを始めた理由STORY

藤枝で酒造りを行う意味は、地域に残る発酵の多様性を守り、次の形へつなぐことにあります。酒、味醂、酢はいずれも、かつては各地の中小蔵が地域の食文化を支えてきました。しかし、低価格で均質な商品が市場の中心となる中で、多くの造り手が廃業し、発酵が本来持っていた味わいの奥行きや土地ごとの個性は見えにくくなっています。だからこそ、地方の中小蔵がこの時代に残る意味は、単に昔ながらの製法を守ることではなく、地域の食と発酵の関係をもう一度作り直すことにあると考えています。 静岡では、日本酒度+4〜+6程度の辛口で、海の幸に寄り添う酒が良い酒として求められています。杉井酒造はその嗜好を受け止めながらも、単なる淡麗辛口ではなく、生酛系酒母による酸、旨味、余韻を重ねた食中酒を目指しています。魚介に合うきれいな後口を持ちながら、発酵由来の奥行きがあり、料理とともに飲み進めることで味わいが立ち上がる酒を造りたいと考えています。 また、杉井酒造では、地元や周辺酒蔵から生まれる酒粕を味醂や食酢へ生かし、芋、むかご、じゃがいもなどの地域農産物を焼酎へ変えています。飲酒人口が減少している中、酒を飲む人だけでなく、料理をする人の食卓にも発酵を届けることが、地元に根差す弊社の役割です。清酒、味醂、酢、焼酎を別々の商品としてではなく、地域資源を使い切る一つの発酵の流れとして捉え、この土地の食文化を次の世代へ渡すために、藤枝で酒造りを続けています。

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