BREWERY ・ 蔵元
笹祝酒造
新潟県 新潟市西蒲区
代表銘柄: 笹祝
概要
笹祝明治32年、新潟県新潟市西蒲区に創業。「西蒲の人が日常で心地よく飲む酒」として地域に根ざしてきた地酒蔵です。近年、人口減少や物価高といった厳しい現実に直面する中、当蔵が選んだ道は、原点である「地酒性の追求」です。2019年より仕入れルートを開拓し、原料米を全量新潟市産に。そして昨年より「全量新潟市西蒲区産」へと移行しました。 製造スタッフとしては、長きに渡り蔵を支えたベテラン杜氏が引退。…
代表銘柄
蔵元・杜氏OWNER / TOJI
OWNER / 蔵元
笹口亮介
笹祝酒造6代目蔵元です。新潟で生まれ育ち、大学進学を機に上京。神奈川県の酒販店でワインショップのスタッフや飲食店向けの営業として6年間勤務し、2015年に新潟へUターンし笹祝酒造に入社。 地域の人々に寄り添う昔ながらの地酒を維持しつつも、これからの日本酒市場を見据えた酒造りを課題として取り組んでいます。入社当時から社員の平均年齢も大きく若返り、今が世に出るチャンスと考えています。
TOJI / 杜氏
大野雄介
2025年10月より杜氏を務めております大野雄介と申します。1988年生まれ37歳です。 新潟県新潟市出身ですが、酒造りを始める前は大阪で日本酒とは無縁の社会人生活をしていました。日本酒との出会いをきっかけに、その奥深さと、人と人をつなぐ魅力に惹かれ、酒造りの道を志しました。 この業界にきて10年が経ち、その間に日本酒への愛を持ちながらもやむを得ず業界を離れていった人も、亡くなった方も見てきました。楽しさや日本酒が好きという想い、それだけでは続かないこともこの10年でわかってきたと思っています。ふとした時にその人たちの顔が浮かびます。その人達の想いも背負ってお酒造りをしています。
蔵についてABOUT
笹祝明治32年、新潟県新潟市西蒲区に創業。「西蒲の人が日常で心地よく飲む酒」として地域に根ざしてきた地酒蔵です。近年、人口減少や物価高といった厳しい現実に直面する中、当蔵が選んだ道は、原点である「地酒性の追求」です。2019年より仕入れルートを開拓し、原料米を全量新潟市産に。そして昨年より「全量新潟市西蒲区産」へと移行しました。 製造スタッフとしては、長きに渡り蔵を支えたベテラン杜氏が引退。2025BYからは、他蔵での経験が豊富な37歳の大野雄介新杜氏を筆頭に、異業種から酒蔵に飛び込んだ39歳の石井直記。そして笹祝6代目、40歳の笹口亮介を合わせた、平均年齢30代後半の若い新体制チームへと世代交代を遂げています。
地域・風土LOCALITY
新潟市西蒲区は、全国最大の水田面積を誇る新潟市の中でも随一の稲作地帯です。かつては広大な潟湖が広がり、毎年の大洪水に見舞われる過酷な低湿地帯でした。農家が舟を出し、胸まで泥に浸かりながら命がけで米を収穫した「潟の中の暮らし」を経て、川の開削や干拓事業により日本一の米どころへと生まれ変わりました。 現在の西蒲区は、この歴史が生んだ豊かな実りを背景に、暮らしと観光の場としても注目されています。エリア内には4場の日本酒蔵、6場のワイナリー、3場のビール醸造所が軒を連ねています。近年はこれら醸造所の垣根を越えた共同イベントが企画されるなど、造り手同士の交流や連携も活発に行われています。
酒造りの方針PHILOSOPHY
①原料米は全量西蒲区産を使用。酵母は新潟ルーツの「越後酋楽酵母」や新潟大学との共同開発酵母を中心に使用しており、将来的な全量新潟ルーツ化を目指して研究を進めています。 ②時代に合わせた新しいお酒を開発しつつも、昔から地元で飲み継がれてきた、価格も味わいも安心して毎日飲める「普通酒」を大切に守り続けていきます。 ③伝統を守る一方で、これからの市場を見据えた自由な酒造りにも挑戦。「日曜日の昼間に飲む酒」など、毎年異なるコンセプトで仕込む「笹祝challenge brew」を展開しています。
目指す姿・ビジョンVISION
「一本の瓶に風土・歴史・郷土性を詰め、美しい西蒲の風景を未来に繋げる」 このビジョンの実現のため、地域ならではの原料米や、その土地の野生味を宿した持続可能なプロダクト造りを行い、地域の価値を宿します。そして、西蒲の魅力を発揮する「産業の核」として活動していきます。 一次産業(農家)との関係。農家と酒蔵が共に持続可能であるために原料米の在り方に向き合い、美しい郷土の風景と営みを次の世代へ繋いでいきます。 三次産業(レストラン)との関係。同じ地元で切磋琢磨するローカルガストロノミーのシェフたちの哲学と共鳴し、「この土地、この人でなければ生まれない酒」の価値を探求。西蒲地域を、笹祝酒造のプロダクトをもって広く外へと発信します。
酒造りを始めた理由STORY
私がこの新潟市西蒲区で酒を造る理由は、この土地の風土に大変な魅力を感じ、この魅力を未来に繋げたいからです。 新潟市は日本一の水田面積を誇り、中でも西蒲区は最大の稲作地帯です。近年は5月初旬になると、水田の水鏡を走る列車の写真がSNSで多く見かけられますが、その一番有名な写真スポットとなっているのが弥彦山、角田山をバックにした笹祝酒造の地元、西蒲地域の風景です。その写真はこの地域に来たことがない人にもノスタルジーを喚起させ、日本人のDNAに刻まれた原風景をよびおこしているのだと思います。 この景色は当たり前にあるものではなく、地域の農家が圃場を守り続けてきたからこそ存在する特別な資産です。 2019年からは市場縮小や物価高という逆境に立ち向かうため、また地酒性をより高めるために原料米の地元での流通ルートを開拓し全量新潟市産米に移行。昨年からは「全量新潟市西蒲区産米」に移行しました。 また、使用米は「越淡麗」や「五百万石」といった新潟で生まれた酒米を使用するほか、一般飯米にも注目し、特定名称酒を製造しています。とりわけ新潟のシンボリックなお米である「コシヒカリ」には大きな価値を見出し、25年前からコシヒカリを使った純米酒を商品化してきました。 今回の出品酒である「笹印コシヒカリ生酛」は2019年に、地元で特別なコシヒカリの生産者、山田哲也さんと出会ってから製造を始めた、現在の笹祝酒造を代表するアイテムの一つです。 山田さんは西蒲区で7代続く米農家であり、「収量を求めずに人とは違う美味しいお米を作りたい」「土壌の力、表土の力、手のかけ方、この3つで品質は決まる」という想いのもと、日本海の海藻を引き上げて圃場の土を作り、驚くほど健康で生命力に溢れるコシヒカリを育てています。 笹祝酒造が「笹印コシヒカリ生酛」の製造を開始してからは、山田さんも当蔵の想いに共鳴し、酒造りで出た酒粕を再び圃場に戻して肥料にするという切磋琢磨の循環が生まれています。今期から新杜氏となった大野も山田さんとの対話を重ねることで、今年はさらにクリーンな辛口酒に味わいをブラッシュアップさせています。 この「笹印コシヒカリ生酛」こそ、自分たちの考える新潟の風土を詰め込んだ一本です。 一方で、笹祝酒造は創業以来、ずっと地域を第一にしてきた地酒蔵です。いまだに地元消費の普通酒が生産量の多くを占めており、昔からかわらぬ「地域の人が心地よく飲める日常酒(普通酒)」を中心に酒造りを続けてきました。これまでの笹祝酒造の歩みは、新潟の風土を守ってきたのは地域の人々への支えになってきたという自負があります。 今後は笹印コシヒカリ生酛を「風土を詰め込んだ、この土地、この人でしか生まれない酒」として。そしてこれまで造り続けてきた普通酒を「地域に人々の日常によりそう酒」として造り続けることで、美しい西蒲の風景を未来に繋げる一助になりたいと考えています。
代表銘柄BRANDS
笹祝
商品一覧SAKE
笹祝
笹印コシヒカリ生酛純米無濾過酒
日本海の海藻を漉き込んだ圃場で育てる特別栽培米のコシヒカリを使用。生酛ならではの奥深い旨味があることと、キレの両立を目指しています。後味にお米由来の風味も感じられ、味わいをより豊かにしています。大野杜氏はお燗酒への愛着がありお燗映えをするようなお酒になるように仕込んでいます。お燗を推奨しますが、冷酒でも常温でも美味しいと思っています。
その他
バンブーシュート(仮名称)
笹祝酒造の若手醸造チームでつくる挑戦酒。飲みごたえと軽快さのバランスを追求しました。
笹印純米無濾過酒
笹祝酒造の定番純米酒。使用米の五百万石は蔵から3kmの距離の圃場で契約栽培を行っています。今ロットの2025BYは大野杜氏の就任一本目のお酒です。吟醸香をもつ軽やかな辛口酒です。
二十五日(はたちあまりいつか)
現代アーティスト「アニー 玲奈 オーバマイヤー」と共同制作。そのナチュラルなライフスタイルに影響を受け「酵母無添加」「精米歩合90%」「槽搾り」と昔の技法に回帰して製造しました。かつて人々が月の満ち欠けに合わせて自然のリズムで暮らしていたように、このお酒の発酵も人の手でコントロールしすぎず、菌や微生物の営みを信じ、祈りに似た心持ちでお酒の経過を見守りました。

